設立趣旨
医療の実践については、病棟部門に入院した患者を診療する、病院や診療所の外来部門にて診療する、または急な怪我や病気であれば救急外来にてそれらの救急患者を診療する方法が一般的ですが、その他に往診という方法も知られています。
嘗ては慢性的な病態に対して定期的に往診する方法が頻繁にありました。そして、緊急事態であれば電話などでの往診要請、つまり緊急往診も嘗ては少なからずありました。前者について今では訪問診療と呼ばれており、益々進展する高齢化に対応するなど、地域包括ケアシステムに必須です。
一方、救急車の要請や、病院救急外来への受診以外に、上記のように往診を求める方法については、新型コロナウィルス感染症によるパンデミックの中で自宅での診療が可能な故に往診への必要性が巷間に脚光を浴びたことも記憶に新しいところです。
そしてまた、往診は夜間や日曜・祭日などに求められても現状の医療提供体制では対応が益々困難になっていることも否めません。以上により往診を会社組織として展開するなどもあるようです。
そこで日本救急往診協会は、一般社団法人としての組織立てを構築し、往診事業に与る関係各位に御声掛けをしつつ、組織の拡充を図ろうとしています。救急医療においては、救命救急センターでの集中治療、救急外来(Emergency Room、ER)での診療、そして病院前救護(ドクターヘリやドクターカー)での活躍について広く知られているところですが、これらに加えて、救急往診たる方法論、つまり往診医学というジャンルも守備範囲に入れることができそうです。
以上のように、日本救急往診協会の組織拡充は、往診医学の発展に大いに寄与するであろうと確信いたします。関係の各位におかれましては、奮って参画いただき、斯界の発展を共に享受したく思います。皆々様には宜しく御高配のほど枉げてお願い申し上げます。
一般社団法人日本救急往診協会
理事長 有賀 徹
成り立ち
令和3年5月 | 令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)」事業として、救急往診による地域医療持続可能性推進ビジネスモデル創出・育成(救急往診地域医療ビジネスモデル実証支援)事業を開始 |
令和4年3月 | 上記令和3年度地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)事業終了 |
令和4年4月 | 一般社団法人日本救急往診協会を設立 経済産業省事業の目的である「救急往診による地域医療持続可能性推進ビジネスモデル創出・育成」の継続的推進を確保し、持続可能な24時間の医療提供体制の構築を理念に活動を開始する。 |
目的
持続可能な24時間の医療提供体制を構築する。
- 救急往診の医療的観点からの社会的活用と社会実装の推進
- 急往診による持続可能な地域医療体制を推進します。
- 地域医療における救急往診への理解と連携を推進します。
- 救急往診の医療的視点に立った社会的活用を研究し、社会実装を進めます。
- 救急往診医・救急往診看護師の育成
- 地域医療の持続可能性を確保するため、かかりつけ医及び地域医療機関との連携のもと、休日、時間外における医療提供を可能とする医療知識、技術等並びに見識を有する救急往診医、救急往診看護師を養成します。
- 救急往診事業者の育成
- かかりつけ医及び地域医療機関と連携した休日、時間外における救急往診を推進するため、救急往診実施を補助する事業者を育成し、もって地域医療の持続可能性の確保を図ります。